昨年11月、第12期総会で新たに代表として私原が選任されました。
原田正純先生が長年温められていた「地球と地域環境を守る市民組織をつくろう」という構想を基に1994年に発足し、20年の活動を誇る「かんくま」を引き継ぎ、2016年の熊本地震後に組織改変をして設立した「くまもと未来ネット」。その代表という重責を担うことができるのか、幾度も蓬巡しました。しかし、2015年に国連により提唱されたDGsの取り組みが熊本でも活発化し、さらに気候変動による地球環境崩壊の危機を回避するため196カ国により採択された『パリ協定』がカーボンニュートラル(脱炭素)社会の実現に向けた動きが世界で加速する今こそ、”かんくま′′時代から25年にわたり丁寧に地域パートナーシップを構築しながら継続してきた持続可能な地域づくり活動を次世代与に引き継いでいかねばと思い直し、代表就任を決意いたしました。
気候変動が深刻さを増し、言葉を失うほどの大規模災害が世界各地を襲い、食糧生産や世界経済にも甚大な影響を及ぼし、いまや環境・経済・社会のあらゆる面で持続可能性を危ぶむ声が高まっています。1997年京都で開催されたCOP3から20年、私たちは温暖化を止めるために一体何をやってきたのだろう、と悔しさをかみ締めていますが、ここで諦めるわけにはいきません。
世界では2030年カーボンニュートラルを宣言する国、自治体、教育機関、団体が相次いでいます。私たち大人と政府に対し、未来への責任を果たして!と訴え行動を起こし始めた世界の若者たちと連動して熊本でも活動を広げていきたいと思います。
生命維持装置である地球環境システムの崩壊と、文明崩壊の危機を避けるために”根源的な改革”が必要だと世界の科学者は指摘し、その声は緊急性を増しています。大量生産・大量廃棄を生み出した産業革命から300年、地球の環境容量は限界に達し、持続可能革命が必須となりました。
私たち一人ひとりがこの現状を深く認識し、持続可能革命の担い手として社会を創りかえる方法を学び、話し合い、ロードマップを描き、着実にかつスピード感を持って持続可能な未来に向かって地域で行動していきましょう。くまもと未来ネットもその一翼を担います。橋口英夫、原田正純、宮北隆志、そして未来ネット初代代表の林信吾の各代表に引き続きましてこれからもご支援、ご協力、激励、時には忌樺のない叱咤をどうぞよろしくお願いいたします。
活動の4本柱である分科会については、担当する各理事が引き続き活動・事業を発展させていきます。
循環型社会に不可欠な地域資源活用の再生可能エネルギー普及に2004年から取り組んでいますが、その一環としエネルギー部会メンバーを中心に新会社を設立し、農業とエネルギーづくりに一体的に取り組む「ソーラーシェアリング事業」を始めます。この会社には当法人も出資することが総会で承認されました。事業パートナーは、「環境エネルギー政策研究所」と、全国のソーラーエネルギー事業者のネットワークである「ご当地エネルギー協議会」です。現在事業参加を申し出ていただいた数件の農家と契約を交わし、低圧の設備設置に向けて鋭意諸手続きを進めています。