6/21開催:木になる紙シンポジウム2025

SDGsが制定された2016年に先駆け私たちが2014年に改定した、持続可能な熊本への提案「未来へのおくりもの」小冊子の38ページに、間伐材からの「木になる紙」という記事が先進事例として掲載されています。この「木になる紙」は息の長い取り組みとなりました。今回はその材料でもある間伐材を供給する森林所有者支援と森林保全についてがテーマになっています。

kininarukami 2025上記絵をクリックするとチラシ(PDF)が開きます

「木になる紙」は、間伐材を利用して作られています。 その最大の特徴は、購入していただくと売上の一部が森林所有者など森林を手入れする人たちの元に還元される点です。 また、間伐材である曲がり材などの行 く先が燃やしてエネルギー化されるより、 間伐紙(木になる紙)になることを望んでいる森林所有者、林業者の声も多くあります。 昨今では、間伐時の作業手法、森林保全のありかたなども問われています。木になる紙を通して、森林林業の課題を解決していく一つの手法として木になる紙の森林保全や森林所有者への支援は欠かすことができません。今回は、森林に関わるいくつかの課題を捉えながら木になる紙の役割を考えてみたいと思います。

木になる紙シンポジウム2025
テーマ:森林保全と森林所有者支援
ー木になる紙の間伐林業者を増やす取組みー

日時:2025年6月21日(土)13:30~16:40(12時半開場)
参加費:無料 定員:60名
場所:五木村役場大会議室 熊本県球磨郡五木村甲2672-7
主催:「国民が支える森林づくり運動」 木になる紙九州事務局
共催:日本製紙株式会社、株式会社有機生活 後援:九州森林管理局「国民が支える森林づくり運動」推進協議会

 ● スケジュール ●
13:30~13:40 開会の挨拶
13:40~14:20 基調講演 「木になる紙の取り組みと森林保全」  佐藤宣子氏
14:20~14:35  「日本製紙株式会社の紹介」 中原智史氏
14:35~14:50  「間伐材のカスケード利用と木になる紙」 松下 修氏
14:50~15:00  休 憩
15:00~16:30 シンポジウム 森林保全と林業家支援
 [パネリスト5名](会場からの意見交換含む)
  佐藤宣子氏 / 九州大学大学院農学研究院教授
  中野重実氏 / 五木村森林組合元参事
  相原伸一氏 / 日本製紙株式会社九州支営業支社社長代理
  津ヶ原隆敏氏 / 五木村森林所有者
  猿渡俊介氏 / 球磨川流域保林グループ
 [コーディネーター]
  松下修氏 / 合同会社松下生活研究所 代表取締役
16:30~ 終了挨拶  16:40 終了

「木になる紙」の現在を確認すべく、Web検索をしてみました。以下のリンクをご確認下さい。生産は熊本県(地元の)日本製紙の八代工場で行われている様ですが、この紙を積極的に採用しているのは? 福岡県は、「国民が支える森林づくり運動推進協議会の会員となっており、平成21年から農林水産部等一部の部署で「木になる紙」コピー用紙を使用。また、紙ファイルや封筒については、平成19年度より「木になる紙」を使用している様です。また、佐賀市では、これまで「木になる紙」を15年間継続して購入利用しており、この度、環境に配慮した商品やサービスの普及によって持続可能な社会の実現を目指す表彰制度「第7回 エコプロアワード」において「奨励賞」を受賞したとの事です。(受賞企業/団体(全20者)のうち、公的機関の受賞者は唯一「佐賀市」のみ)平成23年の「グリーン購入大賞・環境大臣賞」と令和4年の「グリーン購入大賞・農林水産大臣賞」の受賞に続き、3回目の受賞であり、今回の受賞では、①製品を購入し、売上の一部を森林所有者に還元している点、②類似の取組が他の自治体にも広がっている点、③自治体が一消費者として地元産材の利用を広めることで、森林保全と地域経済循環を仕組み化している点などが評価されています。

地元熊本県では、水俣市が平成22年4月より、水俣市役所全庁にて間伐紙「木になる紙」コピー用紙を利用している(九州森林管理局・導入例より)のですが、少々寂しいですね。生産地元でもあり森林資源を多く持つ熊本県全体での広がりが求められます。

九州森林管理局: 「木になる紙」導入例・表彰
https://www.rinya.maff.go.jp/kyusyu/kikaku/caseexample.html

福岡県:九州間伐紙「木になる紙」の取組みのご案内
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kininarukami.html

佐賀市:間伐材を使用した「木になる紙」で地球温暖化対策
https://www.city.saga.lg.jp/main/81414.html

九州の間伐材を利用して熊本県・八代工場で生産した「木になる紙 コピー用紙」の販売を開始
https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2013/news130722000760.html