くまもと未来ネット、事務所移転のお知らせ

日頃より温かいご支援をいただきありがとうございます。私たちはこの度、事務所を移転いたしました。
 新住所:〒862-0962 熊本市南区田迎5丁目7-6 EL.SOCIOビル
 電話:096-202-2525(変わりました) Fax:096-200-6395
※毎週木曜日が基本の出勤日です。(都合で変わる場合もあります)
※お越しの際は、事前にご連絡をお願い致します。

様々な市民活動は細かい業務を担当する事務局に支えられています。このご案内記事では活動を支える場所“事務所”から見た視点で、私たちの活動経過を記してみたいと思います。

◆会の立上げと共に秋津レークタウンクリニックに事務所をお借りする(1994年~)

秋津レークタウンクリニックの2階には大会議室(ホール)と小中の会議室があります。その会議室で、市民による環境保全活動の拡大と強化のためのネットワークを構築しようという、強い意志を有する方々が1年近く議論を重ね、1994年10月に、約40の市民環境団体の想いを結集して「環境ネットワークくまもと」が誕生し、活動を開始しました。創設時の活動目的には「私たちの命を育む環境を保全し次世代へ引き継いでいくために、それぞれの独自性を尊重しながら、個人やグループの情報を共有し、環境保全意識の拡大と環境保護運動への参加を図ります」とあります。この当時、環境保護に動く各団体と個人をネットワークするという活動コンセプトは斬新で、今日でも重要なテーマです。発足の呼びかけ人は、(故)原田正純先生、発足総会の基調講演は環境学者の(故)宇井純さんでした。

laketown 1 設立総会の風景(基調講演)

事務局は、この秋津レークタウンクリニックの2階の小部屋をお借りして始まりました。寄贈された机や本棚、パソコンも中古を再利用して経費を抑え、運営も全てボランティアでのスタートでした。私も毎週のように事務局へ行き、パソコン環境の整備や通信の編集などを行ないました。会が継続されるにつれて活動も幅広くなり、有給の事務局員を雇用する必要に迫られ、Y.N.さんが非常勤の有給事務局職員として参加しました。設立当初から様々な課題に取り組んでいましたが、この時期に事務局に大きな負荷がかかったイベントは、熊本市による「国際環境都市会議くまもと2002の『市民環境会議』の開催・運営と、市民環境会議をきっかけに持続可能な地域(熊本)の姿を具体的に描き出そうと、半年かけてチャレンジした2004年の「持続可能な熊本への提案」(初版)の編纂だと言えるでしょう。

 ◆味噌天神の元喫茶店へ(2004年~)

環境問題に対する社会の関心の高まりもあり、人々が訪問し易い場所に事務所が欲しいと、公共交通によるアクセス向上を目指して、設立10年目を機に、熊本市内中心部の大江本町(味噌天神電停近く)へ事務所を移転しました。公共交通のJRと市電が交差する水前寺近辺で事務所に良い物件がないか、探して歩いていて偶然目に留まった空き店舗(元喫茶店)でした。お隣の方が大家さんでその時に声を掛けたのがご縁の始まりです。場所も良く、レトロな喫茶店の外観もお洒落でした。土間の上にワークショップで“地産地消の木材”を使った床づくりを行ない、居心地よく人が寄り集まる場に生まれ変わりました。大学生や若者たちが「ユースかんくま」を立上げ、事務所に集い企画を練り、盛んにワークショップを開催しました。また、この場所で開催された定例学習会には毎回多様な人々が集まりました。会の目的も「持続可能な農的くらしと健康な地域社会の実現」と深化しました。

misotenjin 4 事務所の外観(元喫茶店)

misotenjin 2 ユースかんくまの活動風景

事務局機能も強化され、専従事務局としてK.S.さんが参加し、アルバイトとの複数人体制となったことで助成事業の受託件数も増えました。2008年にはNPO法人格を取得し、一時期は環境省よりEPO九州の運営を受託し、事務局としては最も規模が大きくなりました。しかしながら、会員も徐々に高齢化し減少していく中、財政基盤強化のため認定NPOや公共施設の指定管理受託等にも挑戦しましたが、運営規模の維持は難しくなり、次第に規模を縮小せざるを得ませんでした。運営方法を模索する中で2016年の熊本地震に遭遇します。

熊本地震をきっかけに、元々私たちが環境課題を主体として模索した「持続可能な社会」は、環境問題のみに限らず防災やコミュニティの有り方など、多方面の課題が絡み合うものであると再認識を新たにしました。地震では県内のほとんどのNGOも被災し傷つき、地域復興にどのように取り組むのか模索していました。そのような団体に再び広く呼びかけて新たな市民ネットワークづくりを話し合う場を設け話し合いを重ねました。準備会を重ね、「環境ネットワークくまもと」は、「NPO法人くまもと未来ネット」として発展的な改組を行いました。新組織の設立目的には「サードセクター(市民・団体・社会的企業)のネットワークを構築し、それぞれの専門性を活かした共助による地域づくりに取り組みます。サードセクターの力を集結し、互いにつながり、支え合い、市民一人ひとりが活躍できる社会を目指し、『持続可能な未来に繋がる地域社会づくり』に取り組んでいきます」を掲げています。(※サードセクターとは、特定非営利活動法人、任意団体、各種公益法人、協同組合、地縁組織、社会的企業などの組織を広く含めます)

 ◆上江津湖の近郊(歌岡理事の旧家をお借りして)(2019年~)

その後、運営は事業型NPOへと舵を切りました。長年親しみお世話になった味噌天神の事務所から、少し歩くと熊本市のオアシスでもある自然環境が豊かな上江津湖がある住宅地へ移りました。理事の歌岡さんからのご厚意で旧家の平屋をまるごとお借りし、事務局はS.H.氏が引き続き理事と兼務で担当(専従)する事になり、他にN.F.さんが非常勤スタッフとして運営を支えました。

しかしながら、2020年の初頭から始まった新型コロナ感染症が国内でも急激に拡大し、人と会い話す事が制御され、コミュニケーションを主体とする私たちNPO団体へも活動自粛を余儀なくされました。活動への影響は大きく、予算縮小に直面し、専従事務局の雇用が難しくなり、急遽、井上理事が非常勤事務局として引き継ぎました。

法人としての事務は複雑多岐であり、総会の開催、法人管理の市(アイポート)への報告、法務局対応、銀行回り、入金・出金、日々の会計入力、理事会のバックアップ、過去の業務の振返りと修正、緊縮財政への対応、棚卸し、等々。通勤時の環境負荷低減の意味も含め、事務作業の効率化と理事への分担を図り、事務所への通勤を少なくし在宅で対応する様にしました。それでも発足以降、理事会はほぼ毎月欠かさず開催し、課題の整理と対応を協議して進めています。事務局は井上、宮瀬の理事2名が非常勤で対応を続けています。

ezu 1 ツタが絡まる生物多様性を感じる外観

DSC_7668 事務所会議室の書庫

 ◆シン事務所は機能的でお洒落なビル(南区田迎)(2024年10月~)

そして今回、これまでの上江津事務所の解体計画が持ち上がり、事務所の移転となりました。

シン事務所は、(通称)浜線バイパスにあるスーパー『鶴屋フーディワン』から西に少し入った住宅地内の2階建ての商業ビルになります。近くにはYMCAみなみグローバルさんがあります。1階は入居者用の駐車場で2階が事務所です。厚みのあるエージングされた木の板の階段を上がると広い廊下があり、どこか懐かしさも感じられる機能的で少しお洒落なビルです。

私たちくまもと未来ネットは、先の熊本地震、コロナ禍を経て、前身である「かんくま」設立から通算で30年を迎えました。この間県内外の様々な団体・人々とのネットワークを広げ、持続可能な社会の実現のために動いてまいりましたが、理事の高齢化もあり、業務の整理と選択をしながら、今後の在り方を模索しつつ活動を継続しています。

さてこれから、雰囲気も変わった事務所で、どんな汗をかき持続可能な熊本づくりに貢献出来るのか。ホームページを通してとこれからの私たちの活動を見ていただき、懐かしさと共に引き続きご支援ご鞭撻をいただければ幸いです。

EL.SOCIO MAP 事務所周辺の概略地図

DSC_8649 シン事務所の全体像

DSC_8636 1階のエントランスから木の階段(支援設備有)

DSC_8639 明るく広い廊下

DSC_9447 私たちの部屋の入り口

DSC_8641 大会議室