2023/10~11:米国 College of the Atlantic の学生へのレクチャー

 小国のTAO塾・波多野さんからの推薦で、アメリカの大学(College of the Atlantic)の学生・Sさん(熊本市出身)から、「熊本市を題材にした<ローカリゼーション>の研究をするので助言を」との依頼が来ました。

 総会前で多忙な時期でしたが、研究前の情報提供(10/18)とプレゼン完成後のレクチャー(11/15)で対応しました。熊本市が題材であれば、地下水環境は避けて通れない課題でしょう。10/18の事前打合せでは、くまもと未来ネットから、地下水に関する情報提供をしました。

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 その後11/15に完成(試作)の報告レクチャーを実施しました。研究のタイトルは「白川流域地下水、自己循環システム」との事でした。一旦完成したプレゼンは短期間の調査でしたが全体像を捉えていて、なかなか良い内容でした。彼女の今後の成長を期待したいと思います。

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◆ローカライゼーションとは?

 地域の中で資源やお金を回し、生産地と消費地、生産者と消費者、人々と自然界の距離を縮め、地域の人々が自分たちで自立して経済(エコノミー)を回すことを指す。「グローバリゼーション」の対極にある活動・あり方とも言えます。
 https://ideasforgood.jp/glossary/localization/

 ◆熊本以外の都市で地下水のみで水道水を賄っている都市(国内外)について

 学生より、上記の質問を受けましたので、調べてみた結果を以下に掲載します。熊本市民約73.9万人(周辺を含めると90万人程)の規模で全て地下水で賄われている地域は、日本全国では唯一、世界でも稀な環境だと認識していましたので、あまり疑う(他を調べる)事はありませんでした。

・早稲田ウィークリー
 https://www.waseda.jp/inst/weekly/news/2023/04/21/107223/
 「水の国」と呼ばれる熊本県には1,500カ所以上の湧水があり、中でも人口約74万人の熊本市は他都市のようなダムや浄水場はなく、地下水に法律で定められた最低量の塩素を加える処理をしただけの“ほぼ地下水”を水道水として使用しています。~中略~ これは人口70万人以上の都市で見ると日本では唯一、世界的に見ても大変珍しいことなのです。

・世界に誇る地下水都市・熊本(熊本市のWeb Siteから)
 https://www.city.kumamoto.jp/kankyo/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=20463
 人口約74万人を擁する都市で、水道水の全てを地下水で賄っているところは、日本全国でも他に例がありません。まさに世界に誇る地下水都市と言えます。

・東京都昭島市 人口:11.4万人
 https://www.city.akishima.lg.jp/s108/010/040/20140904152111.html
 「昭島市の水道水は全て地下水でまかなわれています」と書かれています。

・栃木県足利市 人口:14万人
 https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/living/000021/000142/000585/p003290.html
 「足利市の水道は、すべての水源を地下水でまかなっており」と書かれています。

・愛媛県新居浜市 人口:11.4万人
 https://www.city.niihama.lg.jp/soshiki/sisetukanri/jousuidou102.html
 「新居浜市の水道水は全て地下水です」と書かれています。

・東京都羽村市 人口:5.4万人
 https://www.city.hamura.tokyo.jp/0000002980.html
 「羽村市の水道原水は、全て井戸から汲み上げた地下水です」との記載です。

・長崎県雲仙市(雲仙市水安全計画) 人口:3.9万人
 https://www.city.unzen.nagasaki.jp/kiji0032431/3_2431_2_3454095.pdf
 「雲仙市の水道は、雲仙岳を中心とした豊富な地下水を水源とし」とあります。

・岐阜県瑞穂市 人口:5.3万人
 https://www.city.mizuho.lg.jp/secure/12704/suidoubizyonn%203~5.pdf
 「本市の水道水の水源は、すべて地下水で賄っており」とあります。

市の単位で、同じ規模は他がなかなか見つかりません。人口規模が何倍も違いますね。

では、海外ではどうか?
「地下水」「水道」「全て」「海外」で検索をした結果のいくつかを下へ列記します。

【2023年版】水道水を本当に安全に飲める国は9ヶ国!海外の水について覚えておきたいポイント
 https://www.waternet-inc.com/media/suidousui-nomerukuni/
・アイスランドの首都レイキャビク 人口:12.3万人
 「首都レイキャビクでは、世界一綺麗な天然水を水道で利用することができます」とあります。
・オーストラリア キャンベラ 人口:39.6万人
 時より水不足が発生しシドニーでは海水の淡水化をしている様子
・スウェーデン ストックホルム 人口:90万人?
 やっとライバルらしい都市が出てきましたが、「良質な地下水を豊富に採掘できる国」とありますが、水源は以下の記事によれば、地下水はその25%との事です。
  https://w.atwiki.jp/gwss/pages/59.html
 2.1 水資源 水源としては国内に10万以上存在する湖の利用が多い。年間の流出量の2%程度で水利用をまかなえ、ダムなどは不要である。河川表流水が約50%、地下水が25%、伏流水25%という配分で、河川表流水の利用率が高い。