くまもと未来ネット宛に、釧路国際ウェットランドセンター(KIWC)から依頼のメールが入りました。依頼の概要は、JICAの2カ月間研修を受託しており、そのプログラムの一環で熊本における地下水涵養事業について講習を受けたいという事でした。
JICAと聞けば通常は「スキルのある日本人が海外現地で様々な技術を教えるもの」ですが、海外の指導者を日本に招いての講習も行われている様です。今回の参加者は、スペイン語圏の政府、地方自治体、公共団体において統合湿地管理、NbS (Nature-based Solutions)の主流化に取り組む技官、官房系部門の職員 7 名で、中南米のコスタリカ、ドミニカ、エクアドル、グアテマラ、ペルーからでした。
テーマ:PESの事例から、湿地生態系における自然を活用した社会課題の解決を学ぶ
PES(Payment for Ecosystem Services)とは?
環境省のWeb SiteにPESの優良事例として、熊本の地下水保全の仕組みが掲載されていました。
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/shiraberu/policy/pes/index.html
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/shiraberu/policy/pes/water/water03.html
午前中は、白川中流域の地下水涵養を事務局として支える、水土里ネットおおきく(大菊土地改良区)の事務所(会議室)で座学が行われました。紹介の動画を流しながら、逐次通訳で、その歴史や構造・現在の状況が伝えられ、その後、水土里ネットおおきくの事務局と共に質疑応答をサポートしました。各国で現場を抱えて仕事をされている方々らしく、要所をとらえた質問が多くありました。
午後からはマイクロバスで下記の様に、地下水の動きに沿って関係地域を巡りました。
立野(外輪山の出口)~大津瀬田地区の冬季湛水~半導体工場群(ソニー、TSMC)~嘉島のサントリー横を通り~嘉島の浮島さん~上江津湖(ぞうさんプール、芭蕉園周辺)まで。未来ネットから井上理事がバスに添乗し、ポイントを説明(逐次通訳していただき)ながら同行しました。
嘉島の浮島さんは13万トン/日。江津湖はなんと54万トン/日の湧水量を誇ります。維持されて来た奇跡的な環境について、大きな驚きだったのではないでしょうか。ただ、今までは守られて来ましたが、進出企業や開発による将来の危機にも言及して伝えています。参加された方々が母国に帰ってから、何かの役に立ててもらえれば幸いです。
タテイワタツノミコト(立野を蹴破った神)を理解し、上江津湖では水が湧いている所をプクプクという擬態語(ぎたいご)で伝えると、リピートして盛り上がったり、南方系の方々ということもあり?にぎやかで明るい研修となって無事に終了しました。Hasta la vista.(アスタ ラ ビスタ:スペイン語でまた会いましょう)を伝えてバスを見送りました。(井上、大住)
