「給水スポット」を増やす活動は、マイボトルを持ち歩き、ペットボトルなどの使い捨て飲料容器の使用を減らし、水道水の飲用、「水の域産域消」を推進することにより、環境負荷の低減と地域の水資源保全、人にやさしく潤いのあるまちづくりを促進する活動です。
水Do!ネットワーク(Refill Japan事務局)(https://www.refill-japan.org/)
くまもと未来ネットは地域団体(Refill 熊本)(https://www.refill-japan.org/team/refill-kumamoto/)として参加しています。
今期も、学生のインターンを進めているNPO法人ドットジェイピー(https://www.dot-jp.or.jp/)より、本事業への参加学生さん2名があり、既登録の給水スポットの再調査や、もうひとつのアーケード街「健軍商店街」と古くからある湧水に、給水スポットを設置する活動を行いました。
◆熊本市の動植物園に集合
熊本市が給水スポットを新たに設置したとの情報を得て、熊本市動植物園を集合場所としました。しかし、前日が連休で祝日開園のため”休園”の看板が掲示されていました。動物園管理事務所へも行って交渉しましたが、建物内で施錠されセキュリティ上難しいとの事で残念でした。
車がいない駐車場の道路側中央に「緊急給水所」という看板が設置されており、この駐車場は大震災等の緊急時に応急給水するための耐震館が設置されているそうです。思わず情報を得ることが出来ました。欲を言えば緊急時にここに設置する要員が来られるか分かりませんので、常時給水の施設があると良いかと考えました。
◆江津湖の湧水(動植物園南門前)へ
ここはすでに登録のある給水スポットで、多くの量が自噴しています。動植物園の南側は遊歩道となっており、少し手前の駐車場に車を止め徒歩で数分の所です。歩道に軽石が置いてあり、この細かい穴(ポーラス)を水が通ってくると分かり易い説明が出来ました。
湧水を前に下江津湖の風景を見ると、とても恵まれている環境であることが分かります。熊本市の中心部に存在する江津湖の湧水量は、日量で54万トン(令和5年度・くまもと地下水財団)もの量です。
(https://kumamotogwf.or.jp/cms/topics/report/6613407ce4b0f4325ed8107c)
◆健軍商店街へ
先に主旨をご説明していた、健軍商店街の中のお茶屋さん「おちゃいち山陽堂さん」を訪ねました。快く出迎えていただき、健軍商店街振興組合へご案内いただきました。
(https://kengunshoutengai.hp.peraichi.com/top)
事務所のスタッフの方々へ主旨をご説明しました。給水スポット展開へのご賛同を得て、この健軍商店街振興組合さんと、タクシーのタクルーさんで共同運営されている、健軍まちなか図書室「よって館ね」が、給水スポットになりました。施設入口の扉に、インターンの学生さんにてシールが貼られました。
(https://sarukuma.info/leisure-spot/post-11917/)
再び、お茶屋さん「おちゃいち山陽堂さん」を訪ね、ご家族にもご説明して賛同を得て、お店の入口にもシールが貼られました。
(https://ocha1sanyodo.com/)
◆浮島さん、天然湧水プールへ(嘉島)
少し時間があるので、湧水地帯を巡る事としました。先ずは嘉島の浮島さん(浮島熊野坐神社)へ向かいます。掲示板によれば、ここの湧水量は15万トン(日量)との事です。この上流には川はなく、ここを起点に流れ出しています。さらに、近くの天然湧水プールへ。ここもどん詰まりで上流はありませんが、プールを維持するほどの湧水が湧き、夏季には子供たちでにぎわっています。
(https://kumamoto-museum.net/blog/archives/chiiki/886)
◆上江津湖の湧水を巡る
嘉島の豊富な湧水を実感した後、市内へ戻り上江津湖へ向かいます。上江津湖の湧水地帯は住宅街の狭い路地を抜けた駐車場から歩いて観ることが出来ます。駐車場横の”じゃぶじゃぶ池”では、大きな岩の表面から水が噴き出ている驚きの現象や、至る所で地下からの噴水を見ることが出来ます。上流のゾウさんプール(水前寺公園方向)に向かって、上江津湖湧水群を観て歩き、水量の多さ、恵まれた環境、多くの命に感動を覚えます。
◆「中無田熊野座神社の銘水」を訪問
健軍商店街振興組合での給水スポット紹介から、沼山津地区に古くからある湧水を登録してはという推薦をいただき、湧水を管理されている中無田熊野座神社の総代さんを訪ねました。地域の方々で清掃をされて維持されているそうです。3つの湧水管と洗い場が作られていました。しばらくいると、次々とポリ管やペットボトルを持参して汲んでいきます。地元の小学生らしい子供も、自転車で乗り付けてマイボトル(水筒)に汲んでいました。
看板によれば、浮島熊野坐神社からの流れをくむそうです。総代さんのお話によれば、以前はこのような場所は各地にあったが、湧水量の減少で次第になくなり、今はこの周辺ではここだけになったそうです。
総代さんへ活動の主旨をご説明し、給水スポット展開へのご賛同を得て、総代さんとインターンの学生さんにて「給水スポット」シールが貼られました。
3つの給水スポットを増やすことができ、参加者は、豊富な地下水量を感じる一日となりました。最後にもう一度、江津湖の湧水量を確認しておきましょう。
54万トン/日量!(くまもと地下水財団の記事から、令和5年)